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2009/07
18
[ #548 ]

遠き落日(下) 渡辺淳一著

遠き落日 下    角川文庫 緑 307ー15遠き落日 下  角川文庫 緑 307ー15
(1982/09)
渡辺 淳一

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野口英世の生涯を書いた本。

前回の記事はこちら

渡米前の野口は、その生い立ちや厳然たる学歴社会の壁に悶々とし、
恐ろしいほどの自己信頼とエネルギーを研究に傾け、
自分の努力ではどうにもなりにくい「日本社会」への屈折した思いをつのらせていく。

とだけ言うと「悲劇の主人公」のようにも聞こえるが、
一方、周囲の人々からお金を半ば強引に奪い取っていくような厚顔さがあり、
その図々しさが周囲との軋轢を生んでいた。

ところが、押しかけに近い形で渡米した後、
ちょっとしたことをきっかけに研究結果が認められ、
その後チャンスを与えられるようになってから発表した研究内容が
次々に認められていくと、以前の屈折した思いが弱まっていく。

そして、晩年、次第に研究が行き詰まりを見せ始めると、
野口英世の人間としての「味わい」が感じられるようになっていく。

大きく言うと、そんな流れ。

最初は野口英世の厚顔な姿勢に軽い嫌悪感を抱いていたが、
ストーリーが進む中で、
野口の違った一面が見えるようになっていき、
次第に自分の中の「何か」と共感できるようになってくる。

それは、本を読む前までの「完全なる偉い人」の野口英世像が、
「良い面も悪い面も併せ持つ、人間らしい」野口英世像として、
自分の理解が書き換わるプロセスと重なり合っていく。

以前まで知っていた野口英世像は見事に崩れたが、
ある程度、真実の野口英世像を知ったことで、
実感をもって「凄い人だった」ということが理解できた。

よい本だった。


CM(0)TB(0)URITOP

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