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2008.11.29 (Sat)

孔子 井上靖著

この間読んだ、新書版の「孔子」。
それまで全然知らなかった孔子についての知識を
ちょっとは得たので、井上靖の小説「孔子」を読んでみた。

この小説は、孔子の死後、約30年。
井上靖が空想で作り出した弟子が、
孔子の研究をする人々に、孔子との思い出について語る、
という形式で書かれている。

実はこの本は、大学生の頃にも一度読んだのだが、
ほとんど理解できずに、「つまらなかった」という印象だけが
残ってしまっていた。

それから10年近く、
そして、新書版で得た孔子に関する知識や
社会人になっての経験などを積み重ね、
改めて読んでみると、
「何とも奥が深い本だなぁ」
と思えるようになっていた。

この本は、井上靖が書いた最後の長編小説とのこと。
80歳を過ぎてから書かれたようである。

そういう背景を知って、改めて本の内容を思い出してみると、
井上靖が、「孔子」という偉人の口を通して、
世の中に主張したい「思い」がいろいろと詰まっていたんではないか、
そう感じる。

特に最後の最後の方に出てくるくだり、

  人間は、この地球上に生まれて来たからには、いかに世が乱れようと、最低限の幸せ、
  ”やはり、この世に生まれて来ただけのことはあった。生まれて来てよかった!”
  −そういうぎりぎりの幸せだけは、確保しなければならぬ

などは、井上氏が、切に感じ、思っていたことのように思えた。
なかなかいい小説だった。

孔子


テーマ : 読書 - ジャンル : 小説・文学

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